この記事では、4月11日にスタートした月9ドラマ「元彼の遺言状」で出てきた「ポトラッチ」という言葉について書いています。
「ポトラッチ」という言葉は第1話で生田斗真さん演じる栄治の兄・富治が言ったセリフの一つですが、突然出てきたこのワード、どういう意味なんでしょうか?
今回は、元彼の遺言状に出てきたポトラッチについて、言葉の意味やドラマ内での使われ方を解説していきます。
【元彼の遺言状】ポトラッチはどういう意味?
まずは「ポトラッチ」の意味について見ていきます!
ポトラッチの言葉は、「元彼の遺言状」のドラマ1話で、栄治(生田斗真さん)の兄・富治がポトラッチについて説明しています。
ポトラッチとは、北アメリカの先住民族に伝わる風習。
部族間で贈り物をする場合、もらった人はもらった以上のものを返さなければいけない、というものです。
お互いが贈り合うので、その贈り物はどんどん大きくなり、どちらかが返せなくなります。
原作小説では、「競争的贈与」と説明されているこのポトラッチ。
返せなくなった相手は、より大きな贈り物をした側に支配されることになるのです。
ドラマの中では「富をもって相手を支配する」「与えることは奪うこと」とも言われていました。
ちなみにポトラッチという言葉の元来の意味を調べると、単に「贈る」や「贈り物」のことを表しています。
地位のある人が気前の良さを見せつけることによってその地位を確立するのです。
富の再分配を目的として行われ、特に裕福な者は奴隷まで譲与していたんだとか。
ポトラッチは次第にインフレを起こしてしまい、競争が激しくなったことや経済的な理由から政府から禁止される地域が増えるなどして失くなっていきました。
【元彼の遺言状】ポトラッチはストーリーにどう関係する?
ポトラッチの考え方は、このドラマ「元彼の遺言状」の大きな鍵になるでしょう。
ドラマの中で弟である、栄治が遺言状で「全財産は、僕を殺めた犯人に相続させる。」と言ったことは復讐のためと考えられます。
そこから考えられるのが、お兄さんの富治が言った「富をもって相手を支配する」という考えにも繋がります。
返しきれないものを相手に与えることによって苦しめるという栄治の復讐なのか、その相手は誰なのか?どういう意図の遺言だったのか、今後の展開も気になりますが、単純に考えると、やっぱりお兄さんの富治が犯人なのかな?と思うのですが・・^^;
第1話でポトラッチはすでに栄治と富治の間で行われていたことが分かりました。
ドラマのシーンで富治が重い血液の病気を持っていたことが明かされており、弟の栄治が、「救世主ベイビー」として生まれてきました。
栄治は、富治の病気を治すために生まれたということから、ポトラッチの考えでいくと、富治は栄治から命を与えられたと思っているのでしょう。
富治は命を分け与えられたとして、全財産を栄治に譲っています。
ポトラッチの考えを持っていた富治は、相当な負い目を感じていたと思われます。
その次に出てきた学生時代の麗子と栄治の回想シーンで、食堂でよく一緒に天ぷらそばを食べていた場面。
食堂のおじさんが麗子のファンであるという理由でいつも海老が多く入っていた、と麗子は思い込んでいましたが、実際は英治によるもの。
ポトラッチの考えで言うと、気づかないままではあったものの「与えられていた」と気づく麗子。
それをお返しするために、今回の事件を解決するという動機付けがなされて第1話が終わっています。
このドラマの軸になるのは「ポトラッチ」の考え方なのでしょう。
まとめ
今回は「元彼の遺言状」に出てきた「ポトラッチ」について書いてきました。
ポトラッチとは、北アメリカの先住民に伝わっていた贈り物に関する風習でした。
弟の栄治と、兄・富治の間にある救世主ベイビーや、栄治と麗子の間にある海老天など、このドラマに数多く出てくる贈り物が物語の鍵を握っているのではないでしょうか。
「富をもって相手を支配する」「与えることは奪うこと」といったセリフも、今後生きてくるかもしれません。
第1話に出てきた言葉ですが、案外このワードが後の重要な伏線となるのでは?と考えています。