この記事は、2025年1月より放送される、NHK大河ドラマ「べらぼう」に登場、
風間俊介さん演じる、鶴屋喜右衛門(つるや きえもん)について書いてます。
鶴屋喜右衛門(つるや きえもん)は、江戸後期の有力な地本問屋として実在しています。
どんな人物だったのか?調査しました。
NHK【べらぼう】鶴屋喜右衛門(つるや きえもん)は江戸を代表する地本・錦絵問屋
NHK大河ドラマ「べらぼう」に登場する、鶴屋喜右衛門(つるや きえもん)を風間俊介さんが演じることが、放送前の2024年時点で、正式に発表されました。
\ #大河べらぼう 新キャスト/
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鶴屋喜右衛門 #風間俊介江戸市中の“地本問屋”の
リーダー的存在
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新キャストはあと6人!詳しくは👆 pic.twitter.com/O68SqSnqEf— 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」1/5放送開始 (@berabou_nhk) September 27, 2024
NHKの公式サイトによりますと、鶴屋喜右衛門については、こんな人物像が描かれてます。
鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)や西村屋与八(西村まさ彦)らをまとめる江戸市中の“地本問屋”のリーダー的存在で、新参者の蔦屋重三郎(横浜流星)と対立。
草双紙や錦絵で数多くのヒット作を出版するとともに、山東京伝など若い才能を見いだしプロデュースするなど、蔦重とともに一時代を築いた。
引用元:https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=41469&cid-dchk-tw-berabou-2502211202
鶴屋喜右衛門(つるや きえもん)という人物は、江戸市中の“地本問屋”のリーダー的存在。
古くから江戸の文化を担ってきたということから、
彗星のごとく現れた、新参者の蔦屋重三郎(横浜流星)と対立するのは仕方ないのかも。
いわゆる古株の、鶴屋喜右衛門が蔦重をどう受け入れていくのか??
鶴屋喜右衛門が蔦屋重三郎に対して、ドラマの中でどのような行動をとるのか?
実際の放送がスタートするまでのお楽しみとなりそうです!
鶴屋喜右衛門(つるや きえもん)は実在の人物
風間俊介さんが演じる、鶴屋喜右衛門は、大河ドラマオリジナルの人物ではなく、
実在の人物です。
こちらは、鶴屋喜右衛門の紋となります。
鶴屋喜右衛門は人物名ではない
大河ドラマでは人物として描かれるようですが、
実在した鶴屋喜右衛門は、他の有名な書肆(=本屋)と同じく、
一人の名前ではありません。
何代にもわたって受け継がれた名前です。
江戸の鶴屋喜右衛門に先行して京都に同名の書肆(=本屋)があり、
その江戸支店という形で始まっています。
江戸時代初期の出版は京都で始まりました。
最初は漢籍、仏書、古典文学などが対象でした。
その後、第二世代の出版社が、古浄瑠璃や仮名草子など
娯楽作品を出版するようになりました。
17世紀の前半である寛永年間に創業した京都の鶴屋喜右衛門もこの娯楽作品を出しています。
確認できる最も早い時期の出版物として寛永八年(1631年)の「せっきょうかるかや」があげられます。
初期の鶴屋は浄瑠璃作品を専門に手掛けていました。
その当時は、浄瑠璃屋喜右衛門、草紙屋喜右衛門、正本屋喜右衛門などと名乗っていました。
江戸の鶴屋喜右衛門
その後、江戸の町が発展するのに伴い、江戸で書店ができていきます。
初期の頃の多くの店は京都の支店というような形で店が出ていました。
鶴屋喜右衛門もその一つで、江戸でも京都と同名の「鶴屋喜右衛門」と名乗っていました。
この江戸へ進出した鶴屋喜右衛門が京都の鶴屋喜右衛門の一族なのか、
それとも、のれん分けした番頭なのかについてはよくわかっていません。
江戸へは万治年間に出店したとされます。
ですが、江戸の鶴屋が出したものとして確実なのは寛文十二年(1672年)の「武家百人一首」とされています。
少なくともこの時期には江戸に進出していました。
場所は日本橋大伝馬町3丁目、その後、常盤橋御門ヨリ本町筋下ル8丁目通油町北側中程八右衛門店、茂兵衛店、元浜町善兵衛店、新大坂町および石町3丁目で営業していました。
鶴屋喜右衛門の活躍について
鶴屋喜右衛門の本姓は小林で、遷鶴堂あるいは仙鶴堂と号していました。
鶴屋の店頭風景
画像引用元:江戸名所図会 7巻 松濤軒斎藤長秋 著, 長谷川雪旦 画 出版者 須原屋茂兵衛[ほか] 出版年月日 天保5-7 [1834-1836]
上記の天保年間に出された「江戸名所図会」に通油町の鶴屋喜右衛門の店頭風景が描かれています。
たこが揚がっており、正月の情景であることが分かります。
左を向き左右の翼を頭上に丸く広げた鶴、いわゆる鶴丸紋は鶴屋の紋ですが、絵の中にも描かれています。
江戸を代表する地本・錦絵問屋
江戸に進出した鶴屋喜右衛門は江戸を代表する地本・錦絵問屋の一つへと成長していき、江戸の人々の間にしっかりと根付いていきます。
それは「誹風柳多留」に掲載されている次のような川柳からもわかります。
母親ハ夜るの鶴屋へ迷ひ来る
子を思ふ夜るの鶴やへ草さうし
吉例に鶴屋から買ふ草双紙
一番最後の句は正月明けに草双紙が最も多く出版されるという事情があるからです。
同じ状況から、次のような句もあります。
鶴に蔦こたつの上に二三冊
これは鶴屋と蔦屋の草双紙がコタツの上に置かれている正月の光景を詠んだものです。
鶴屋の全盛期について
鶴屋の全盛期は寛政、淳和、文化、文政の頃、つまり18世紀の終わりころから、19世紀の前半にかけての時期だと言われています。
この頃、江戸後期を代表する戯作者である滝沢馬琴、山東京伝、十返舎一九、柳亭種彦などの本をたくさん出版しています。
中でも柳亭種彦の「偽紫田舎源氏」は大ヒット作品となりました。
偐紫田舎源氏 の出版
鶴屋喜右衛門のエピソード
鶴屋喜右衛門のエピソードも伝わっていますが、それが何代目のことなのかわからないという難点があります。
曲亭馬琴の「近世物之本江戸作者部類」によれば、先代の喜右衛門近房の長子である、当代の鶴屋喜右衛門が文化十五年(1818年)に出した「絵本千本桜」(歌川豊国画)は実は馬琴の代作と書かれています。
そして、この喜右衛門は非常に酒好きで、それが高じて天保四年(1833年)に享年46歳で卒中で亡くなりました。
葬儀に参列した馬琴は「しるやいかに苔の下なる冬ごもり ひがしの松に春を待たして」という句を詠んでいます。
他にも放送がスタートして分かったことがあれば、こちらにて情報を更新していきます!
風間俊介さんの経歴とNHK大河ドラマに出演について
ここからはあらためて、鶴屋喜右衛門を演じる風間俊介さんの経歴を
ご紹介します。
- 生年月日:1983年6月17日(2024年現在、41歳)
- 出身地:東京都墨田区
- 身長:164 cm
- 血液型: A型
- 活動期間 :1997年~
- 配偶者:既婚(2013年 – )
- 所属事務所 ジャニーズ事務所→SMILE-UP.
これまで様々な役柄を演じてきた風間俊介さん。
出演がほぼ途切れることなく、テレビドラマや映画に出演してきました。
大河ドラマは今回で3度目の出演となります。
- 大河ドラマ(NHK)
- 西郷どん 第10話 – 第18話(2018年3月11日 – 5月13日) – 橋本左内 役
- 麒麟がくる 第20話 – 第44話(2020年5月31日 – 2021年2月7日) – 徳川家康 役
横浜流星さん演じる蔦屋重三郎とは、対立する関係とはなるのですが、
同じ時代を生きた人物として「べらぼう」のドラマがキッカケとなって
注目されるでしょう。